おとなの遠足~番外編~ 和合亮一氏が語る「言葉のチカラ」無事開催いたしました!
9月28日、会津若松の末廣酒造嘉永蔵を会場に、和合亮一さんの講演会「言葉のチカラ」を開催しました。
蔵人たちが酒造りを行なっている現役の酒蔵である嘉永蔵。その敷地内にある白漆喰が美しい蔵をお借りしての講演会です。
川延理事長の挨拶の後、NPO法人はるなかの理事でもある末廣酒造会長・新城猪之吉さんも、和合さんをお迎えしての講演会への期待をお話しくださいました。
和合さんのお話は、木との思い出からはじまりました。
言葉は、言の葉。よく見られる木は良い姿に枝を伸ばす。(では人は?)
そして、震災後に携わられたいくつかのお仕事の中で出会った言葉。福島の家族が十七文字で交わした思い。
例えば。
「ガンバレ」のメモと一緒に朝ごはん(子)→「ありがとう」メモと一緒に皿洗い(母)
土俵にのぼる小学校3年生のちさと君と応援する校長先生の姿が目に浮かぶような
「ちさと、おせ、もっと、おせ」。
和合さんによるリーディングが熱気を運んでくれました。大人になっても、ここぞという時に校長先生の「ちさと、おせ」を思い出すんでしょうね、と和合さん。これも言葉のチカラ。
小学校1年生のさとうりゅうのすけ君が詠んだ「まほうのつなみ」。おばあちゃんを元気にしたいと、志津川の町を元の姿に戻す「いいつなみ」「まほうのつなみ」を言葉で生み出しました。
小学校5年生の菊田心さんの「ありがとう」は、分けてもらったたくさんの物事への感謝を連ねています。そして最後に綴ったのは。
最後に
おじいちゃんを見つけてくれてありがとう
さよならをすることができました
和合さんが震災後に詠んだ「高台へ」は、南三陸の役場で高台への避難をマイクで呼びかけ続け津波で亡くなった方への思いを伝えます。会場では涙ぐんでいる方もおられました。
そして福島に関わり続けてくださった谷川俊太郎さんの死。震災から14年の時は確実に進み、時は動いていると感じていると和合さんは述べられました。
さらに「おとなの遠足」で、小田山の桜を眺めつつ戊辰戦争時に小田山から若松城下が砲撃されたことを学んだ経験と重ね、
「会津も歴史がもたらした津波を経験している」
「何もかも奪われた後も、時は動き、樹木は芽吹き、人が暮らし、家がたち、文化が復興し、今の会津がある。会津が積み重ねた歴史、文化と対話を続けたい」
とお話しされました。講演が終わると会場には大きな拍手が響きました。
その場にいた多くの人に言葉のチカラを教え、会津の未来への期待を抱かせてくださる講演会でした。NPO法人はるなかが今後なすべきことをも教えてくださった気がします。
和合さん、参加してくださった皆さん、ありがとうございました。


